草葉の陰からジャンプアップ

街で目にしたものやななめ読みしたニュースから刺激された感情を迸るままに書き連ねたりしなくもない

ドカベンは時間に縛られてはいけない

 

ドカベン大甲子園が好きだった。

そこから、一球さんやストッパー、虹を呼ぶ男なども読んだ。

 

ドカベン大甲子園がやっぱり一番好きだったなぁ。

とか言うと「ヒット作至上主義」と思われそうだが、面白さの質を

考えてもそうなのだ。その証拠に(なんだこの言い方)、

ドカベンプロ野球編は好きではない。

 

 

ドカベンが西武に入団したあたりは、まだよかった。

いきなり正捕手になれないのもプロっぽいな、と。とか思ってたら

あっという間に正捕手。「12球団一の捕手伊東がいるから西武」とか

言ってたのにあっというまに伊東がケガして正捕手。伊東泣くだろこれ。

現実には出てるのに。

 

そして何より一番の問題点。それは「現実の時間の流れに即してマンガを進める」点。

一週間あれば現実には6試合くらい消化するので、週刊誌で追いつくためには

ダイジェストで試合を追っていくしかない。もしくは1試合だけ掘り下げて

「このあと2連敗」「3連勝」みたいな感じでスキップする。

 

するとどうなるか。

「ページを開くたびにドカベン岩鬼がホームラン打ってる」

ことになるのだ。多少誇張はあるが印象としてはそんな感じ。

「明訓はどうやって勝つのか」「この敵は明訓をどう苦しめるのか」

ドカベンのときにあった期待感はそこにはない。もちろん10割バッター

ではないのだから凡退や三振もあるが、不知火とかのエース級はともかく

その他の実在選手はほとんど打たれる場面ばっかり。

高校野球だととびぬけた選手は珍しくなかったが、プロでここまで

とびぬけた選手がガンガン出て、しかも同じ高校から5人もプロ入りして

全員大活躍とかなってくるとさすがに現実との乖離具合が激しすぎて、

どうも興味をそそられなくなる。

 

そう、ドカベンは「現実にありえない」ことと「野球としてリアル」という

部分のバランスが面白さの肝だったのではないか、と今更にして思うのだ。

それが現実ペースに合わせて時間が過ぎていてはできない。やはり「マンガ」

としての面白さを優先してもらいたいものだ。

今やっているトーナメント戦は設定自体完全オリジナルなので現実の時間に合わせる必要がない。そのためちょっと興味が湧いている。ただ読むための前提としてプロ野球編を100冊くらい読む必要があるのか?と思うと気が重くなるが。

 

あと、これだけは作者に言いたいが、「トリプルプレー出しすぎ」。

頼むよ御大